憂鬱

憂鬱。毎日が憂鬱。毎日憂鬱を引きずりながら仕事に向かう。仕事は面白くないし、いいことなんてないし、どちらかと言うと悪いことばかり。

悪いこととは、大好きな人と別れたこと。結婚したい、ずっと一緒にいたいと思っていた人と別れた。付き合った時はお互い大好きだった。いつからすれ違っていたのか分からない。本当は気づいていたけど気付かないふりをしていただけなのかもしれない。気づいてしまったらこの関係が終わりだと思ったから。
もう好きじゃないと言われることが怖かった、1人になるのが不安だった。

もう別れよう、だいぶ前から好きじゃなかった。
なんでもっと早い段階で言ってくれなかったんだろう、なんで別れる前に話し合いが出来なかったんだろう。
自分のことも責めた、相手のことも責めた。

あんなに輝いていた世界が一瞬にしてモノクロになってしまった、ああ人間ってこんなに簡単に世界が崩れるんだ。漫画みたいだ、主人公みたい悲劇のヒロインなのかななんて笑えてきた。

別れた夜、お酒を飲みながらYouTubeを見ていたら涙が出てきた。大好きな東海オンエアを見ても、涙がとまらなかった。あの時こうしていれば、私がもっと我慢していれば、こうはならなかったのかもしれない、そんな後悔ばかりが頭をよぎり、ただただ涙を流すことしか出来なかった。布団に入っても涙は流れ続けた。蒸し暑くて眠れなくて、涙も止まらなくて、眠ってしまったら不安と悲しみに押しつぶされて死んでしまいそうだった。

あれからちょうど1ヶ月。相変わらず蒸し暑い夜、私はYouTubeを見ながら笑ってお酒を飲んでいる。環境は何も変わってない。仕事は面白くないし、職場のおじさんはうるさいし、お金はない。

特にいいことだってないし、旅行にだって行けないし、県外には行くなってうるさいのに仕事は忙しくなるばかかり。出産した同級生のストーリーを見てなんとも言えない気持ちになって、そっとインスタを閉じる。そんな毎日。

何か大きな出来事があった訳では無い。ただ1ヶ月経過しただけ。それでも笑ってお酒が飲めるようになった。YouTubeを見ながら美味しいお酒が飲めるようになった。

涙は出なくなった。カラフルではないけど、色も少しづつ戻ってきた。ふとした時に思い出すこともあるけれど、もう涙は出ない。

あの日と同じ蒸し暑い今日の夜も、お酒を飲みながらYouTubeを見て眠る。そしてまた明日、私は相変わらず憂鬱を引きずりながら仕事へ向かうのだろう。